ROEについて

ROE:自己資本利益率(return on equity)とは何か?

株主資本(払込資本金と内部留保との和)に対する当期純利益の比率である。
要は投下資本をどれ程うまく使って利益を得たかという指標。

よく「うちはROE経営を貫いていまして・・・」などと聞くことがある。
果たしてそれは本当に有益な指標なのだろうか?

以前書いたが、「会社は誰のものか?」ということにつながってくる。
「会社は株主のもの」これが教科書的な答えだが、

自分では会社は公共性を持っており、何かしらのサービスを提供することで、世の中をより住みよいものにする使命を持っていると考えている。

そのためオーナーは確かに株主だが、社長を含めた経営陣並びに従業員の協力あってのことなので、仕入先・販売先を含めて関わっている人、全体のものであるというのが、自分の見解である。

さて、ROEだが、この指標が大事にされるのは、株主の視点であることはお気づきだと思う。
要は「会社は株主のもの」だから、その投下資本でどれ位の利益を得たか?ということを表すものである。

何が言いたいか?

そう、ROEに偏重した経営なんて、要は株価の短期的なつり上げを図るための方便であるということ。
以前書いた、ストックオプションと株主の利益が一致したことによる弊害である。

ROEを上げるために、従業員を解雇したり、研究開発を中止したりということは本末転倒な話であって、とてもじゃないが社会的使命を果たしているとは言えない。

ベンチャー企業は雇用を生む産業を創出できる可能性がある。
ROEなんて、ビジネススクールから生まれた変な指標に惑わされず、軸のぶれない経営を行ってほしいと心から願う。