時価会計について

会社は誰のものか?

よく言われる議論であり、「株主のもの」というのが教科書の答えだ。
自分はしっくりこないが、ここでその議論をするつもりはない。

しかし株主と言っても、つい最近株を取得した人と、長年にわたり会社の株式を持っている人と同じ扱いで良いのだろうか?

様々なマネーゲームが崩壊した要因の一つには、行き過ぎた短期的収益の追求がある。
CEOゴロが再建のため選任され、まずは負の遺産を必要以上に吐き出す。
そう会社が存続するために将来必要となる資産であっても。
当然株価は下がる。そこでストックオプションを低い株価で設定し取得する。
その後、人的リストラをやる。徹底したコストカットをやる。
翌期には見た目の収益は好調だ。
CEOゴロのマネーゲームが完了する。

現在ストックオプションは給与所得と見なされるため、歯止めはかかっている。
しかし上記が許されたのは、株主が短期的収益を目的としていたからである。
モノ言う株主もしかり。
要は本来内部留保されて、会社にとって必要な設備投資、研究開発にまわされるべき資金を配当し、長期的には会社を苦しめる。
つまり「会社は株主のモノ」の弊害である。

時価会計。これも会社が保有する在庫や資産で長期化しているものを、実態に合わせるという目的において有効である。
四半期で保有する資産の時価を把握する必要性がどれだけあるのか?
不況時においては、時価が下がる⇒資産が劣化する⇒財務が悪化する⇒株価が下がる⇒さらに時価が下がる、負の連鎖である。

こんな米国発の仕組みを全部受け入れる必要はない!

そう、「21世紀の国富論」である。

遅ればせながら、ペラペラと読んでいる。
何と言うか、金融機関にいて、ボンヤリと疑問に思っていたことをキレイにまとめてくれている。
まだ意見を述べるほど読み込んでいないので、それは追い追い。

ただ言えるのは、昔「ゴール」を読んだときと同じような衝撃を受けていること。
早く最後まで読んでしまいたいと思える本だ。

とは言え「ゴール」も、今となっては、
「一番体力のない、スピードの遅い子を先頭にして隊列を組むのが、一番早く目的地に着く」
という、ボトルネックのところだけ。

どこまで活かすことができるのでしょう?
実生活では「一番時間がかかるモノを最初にやる」ように心がけてはいます、はい。